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坎は悩み。病。貧困。穴の中。艱難。最低の時。百事に凶。
水難、病難、色難、盗難の暗示。
一つ家の勢力が二分される。
悲観的に成っていて、必ず実際より悪く受け取っている。
その代わり心的エネルギーは内側に充実し、発想や思索が産まれる。学問、芸術、宗教に吉。
( 四難卦をご参照ください。)
坎難(
さらに最下位 底の底
坎難に 剛と中とで 望むなら
冬のさなかに 少し得るべし
漕(こ)ぎ出せば
まえにもあとにも 凍る渦
三(身)動き取るな
危難さるまで
前後の渦が、坎の卦を表します。本当に危機的な状況下では、現状維持が唯一の策である事があります。
坎の世(四)は 神祭るにも
ささやかに
真心こめて ついに咎なし
貧困の世の中では、尊いものを維持するにも、おおっぴらに出来ず、簡素な飮食( おんじき )をのみ、窓からこっそり入れる。そうして困難な時期をやり過ごす。
幽閉された王に対するようなイメージもある。
また、独裁者の「自我」に彼の『心』が幽閉されているのかも知れません。絶望から攻撃的に成って、ますます引きこもっているのですね。これでは結末は、もっとも悲惨な破滅です。なんとかして、やり過ごさないといけませんね。
穴のふち まだあふれ得ぬ
迷い水
出口は近し
五(いつ)に抜け出せ
六力(無力)にて
坎のきわみに おるならば
手も足も出ず 道もうしなう