01 乾為天

 

乾為天 本卦( 不変爻 )

 闇の中の最初の光の種。創造の躍動。全陽で、最強の卦。龍の形。乾にすべては始まる。
 乾為天は 『 英雄物語 』 で、自我発展の典型、 ……… 個人の人生でも、人類でも、宇宙そのものでも ……… 一切の存在が、産まれて衰滅するまでの、根本的な型です。
 初爻の潜竜、英雄の誕生から、
 二爻、三爻と努力、努力で伸びてゆき、
 四爻で少し逡巡した後、
 五爻で王位に着き、
 六爻で有名な「 亢龍悔いあり 」、昇りすぎた龍は降りるしかない、
 IPO 株の移動平均線のごとし。「 老いたるスサノオのミコト 」という事に成ります。
 乾為天は直線的な栄枯盛衰の道。生者必滅、流行りものは、廃れもの。盛んなる者は必ず衰える。

 ですからこれは、良い卦というより、緊張感に満ちた、厳しい卦です。
 努力の仕方ですが、三爻に『 終日乾々 』とあり、乾天が日月星辰を間違いなく回転させるように、うまず、たゆまず、つまり、飽きる事も怠ける事もせず、春夏秋冬まったく関係なし。毀誉褒貶( きよほうへん )まったく関係なし。立場が変わり、地位が上がろうが下がろうが関係なし。「 さあ始まりだ。これで一段落だ。」 といって気を緩めたり、調子に乗る事なく、惑星の軌道の如く不変の態度で向上する。そういった一種、宗教的な姿勢を要求されますが、たぶん人生、これが本当なのでしょう。

 さて、乾は天。『 気 』のみにて、象( かたち )がない事、
 六爻すべてに応がない事から、相手や対象のある事、
 願望、交渉、縁談など、
すぐには通達しづらい。
 商談や財利など空無の象意から損失と見ます。

 運期は、漸進的な卦だから、すぐには通達しづらい。
 進展は乾の性質から 『 徐々に行う。焦らない。諦めない。』が基本。
 失せ物も象( かたち )がないので出ない。捜すなら乾の象意を。
 六連奇のため、家出人は仲間といる暗示あり。方角は乾位( 北西 )。高くそびえる象意から、大都会。
 旅行も同様に、大勢で行く方が良い。

 天はその相( 姿 )を絶えず変えるので、乾は変化の道。落ち着きを得ない怨みがある。
 住所、職業にも不安があり、
 妊娠中は変化に注意し、準備する。
 懐胎の占では、天の気が地の象を作る事から、懐胎と見る。
 病占は『 行きめぐる 』の意から、流行性伝染病、『 天 』の象意から、精神、脳神経系、首から上。また乾は乾燥( 渇き )と高熱。そこから転落しての寒熱去来。
 病勢は乾為天の基本通り、直線的に徐々に進行する象意だから、早めの本格的な治療を。
 また人体の簡略図は一本の管で、坤為地の象だが、全爻ふさがっているので消化器や月経の困難。
 重病の場合、他の卦から変じてこれを得たら、危篤と言われる。
 軽症や長患いでは徐々に治ってゆくので、吉。

 天候はもちろん晴天だが、長い日照り続きでこれを得たら、六爻の近くにいると見て、雨とする。
 物価・株価も同様に、大いに上がるが、今が天井という意がつきまとう。

 人物は、全陽なので極めて剛健で強情、男性的な人。
 注意すぺきは、女性は剛情に過ぎて、不要な風波を生じ安い事です。

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乾為天 初爻

 陽位 陽爻 不中 之卦は天風姤 賓卦は沢天夬

潜竜の 目は胎内で 開かれる
想いを練って 今は眠れよ

 とにかく何もかも力不足で時期早々。
 願望、交渉、商談、新築、移転、勝負、訴訟、いずれも時を得ない。
 しかし、将来的には有望であると言えましょう。
 では、好機はいつくるか? というと、二爻と五爻の時。
 時期を見るにはその爻から( 上に )数えるという方法があります。
 すなわち乾為天は二爻と五爻が吉。これは初爻だから、次の二爻まで一つ。三爻、四爻と数えて、五爻は四つ目。すなわち、小さな事なら一日後か四日後、大きな事なら一ヶ月か一年、また四ヶ月後か四年後がその時期という事に成ります。これは頻繁に使う、便利な方法です。
 「 早すぎる 」ので妊娠占では流産、早産に注意。
 天候占は晴れ。之卦は天風姤(こう)なので、風あり、思わぬめぐり合いの意から、にわか雨の可能性。
 恋愛占でも之卦の意から情欲に流されがち。妊娠中は過度の情交を控えるように注意。
 病占では病状の萌芽で、進行が懸念されます。
 初爻という部位から、本卦の象意に加えて下痢や陰部の疾患等。

 人物は、実力も将来性もあるが、いまだ時の至らぬ者と見ます。しかし、この時期にやる事は多いでしょう。

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乾為天 二爻

 陰位 陽爻 中を得る 之卦は天火同人 之卦の賓卦は火天大有
小龍は 次には田にあり 大物と
成るか 会うかは 徳しだい

 『 田にある 』とは、潜まず飛ばず、龍( 占者 )は、市井 ( その辺 ) に居るということ。
 原典に 『 大人( たいじん )を見るに利( よろ )し 』とあり、この大人( 偉大な人物 )は王位、五爻の事。陽剛で上卦の中を得た、公明正大の社長、店長、主任のような人です。この意は、
 ① ニと五は陽と陽で、今は「 応はない 」が、その人物に相応ずるように努力せよ。
 ② 龍がいよいよ地上に出た事は、天の時、地の利に乗じたものだから、人の和を得よ。
 そうすれば『 徳ノ施シ普( あまね )キナリ 』その徳を天下の人々に施す大人物と成ろう ……… という事です。
 そしてついに自らが大人物と成るか、それともただ大物と逢う( 縁がつく )だけかは、占者の徳、度量しだいです。

 運勢はだから、『 目上の人に相談すべし。とにかく意思を伝える事 』が大切な時期です。之卦は天火同人で、人に思いを伝え、人の意見を容れ、仲間と一丸と成って大成功する卦です。
 また、易経では「 見る 」という表現がよく使われますが、「 易経で見るという字がある時は、ほとんど離( 明知などを意味する )の卦に何らかの関係がある 」と、加藤大岳師は指摘しておられます。『 離は目の形 』だからでしょう。 ( 二爻が変ずると、離に成る。)

 事業、取引、商談、交渉、移転、新築、縁談、すべて順調で、
 出産は「 見る、相談せよ 」の意から、医師、病院を調査、吟味しますが、これは他の全てにも言える事でしょう。
 失せ物、家出人も『 離 』の象意から見つかる。

 そして先に申しましたように、乾為天は二爻と五爻が吉。この時期に運を逸したとしても五爻の時、三日、三ヶ月、三年後に、再度チャンスが訪れます。しかし、いま成功して、その次にまた飛躍したいですね。

 ただ、病占だけは悪く、『 帰魂 』の卦に当たります。これは 「 五爻が変ずれば内卦と外卦が同じに成る卦 」 で、之卦の天火同人は、五爻が変ずれば離為火で、上下が同じに成ります。まあ、迷信に属する見方ですが、実占上の方術として占断する時は、年齢、病状を考え合わせ、参考にして下さい。
 病状は本卦の象意に加え、乾も熱なら離も熱で、同人の「 人と同じくする 」象意から、流行性の感染症などです。

 人物は、剛強な自我を持ちながら結構社交的な人で、実力をやっと振るう場に立てたばかりの時期。その強い自我を初めて人々の間に出してゆき、人に認められ、人を認める事を学び、目的達成のために、協調性と人とのコミニケーション能力を磨く時です。

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乾為天 三爻

陽爻で陽位 不中 之卦は天沢履 之卦の賓卦は風天小蓄 互卦は火沢睽

三種の想い 竜は捨て
終日乾々 やっと咎( とが )なし

     原典
 君子終日乾乾し、夕べに惕若( てきじゃく )たり、厲( あや )うけれども咎无( な )し
 終日乾乾すとは、道を反復するなり。

 「 三種の想い 」とは仏教の言い回しで、「 自分より劣っている。同等である。優れている。 」の三つの思い。そんな事、思っている場合ではないからです。
 なぜ「 夕べに 」かというと、乾は太陽の象で、一日とも見ます。初爻、二爻と進んでゆき、ついに内卦の最上位、三爻まで来た。一日の終りです。
 また、地位で言えば内卦の三爻というと、実務所属長の立場です。中間管理職ですね。ぜんぶ自分のせいに成る! もっとも危うい立場と言えましょう。
 にも関わらず三爻は、陽爻陽位で進む気ばかりが強く、非常に危うい。
 だから惕若せねばならない。惕若とは、「 おそれつつしむ事 」です。というのも、
 三爻が変ずると之卦は天沢履!
 なるほど、これは怖い! 終日、努め励んで、一日の終りまで恐れ慎み、やっと難を逃れる。
 ところが、
  『 易経がこのような事を言う場合、たいてい一所懸命できない事情がある場合が多い。 』
 実占していたら、そういう事が多い。
 人間誰しも、辛い時には特に、僥倖、偶然の幸運や一発逆転、大成功を夢見るものですが、そんな事を言っている場合ではありません。
 今はこの立場と、目の前の状況をやり過ごす事に専念しましょう。
 全般の占断としては、あと一歩のきわどい立場です。緊張と努力で切り抜けます。
 願望、交渉、取引など相手のある事、新規事業、新築、移転、旅行など移動、変動に関した事は、出来るなら延期、中止し、出来なければ十分注意、調査して行って下さい。
 之卦の天沢履は女子裸身の象なので、女が強すぎる、淫蕩、という意から恋愛、婚姻は凶、特に男性は頭を冷やして状況を見つめ直すべきで、家出人も異性が絡んでいると見ます。
 出産は、ちゃんと出口が空いているので安産。しかし淫蕩の凶意から、過度の情交は慎まれますように。
 病占では乾金と之卦の兌金で、金は肺の象意だから呼吸器全般。これは「 環境が息苦しい 」場合の反応でもあり、三爻は腰に当たり、責任の過多から来る精神的なものとも取れるので、出来るだけ仕事をシステム化、自動化し、事務的に捉えるよう意識する。もちろん、病院や整体師の所に行って下さいね。
 天候は、下卦の最上位、三爻。乾期いったんの終焉で、雨が降る、冬は寒気つよく、雪、霜が降ると見ます。

 『 終日乾乾すとは、道を反復するなり。』については長いので、占いエッセイに独立させました。乾為天 終日乾々とは? をお読み下さい。

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乾為天 四爻


 陽爻で陰位 不中 之卦は小蓄 之卦の互卦は火沢睽 賓卦は天沢履

四苦八苦 まだまだ竜は 飛ぶけいこ
分をわきまえ 天をにらめよ

 下卦の一日が終わり、次の一日の始まり。位置は実務担当者を終え、管理運営側の一番下っ端に成った所。
     原典
 『 或( あるい )は躍( おど )りて淵( ふち )に在り。咎( とが )なし 』

 『 或 』とは、この場合、「 まどう・疑う 」の意です。淵で跳ぼうと思っても、さまざまな疑惑や懸念があり、躊躇( ためら )っているが、乾の性質に従って、跳べば咎なし。( 跳ばなければ返って咎がある。)
 普通はモタモタしていて好機を逃がすという占断。

 なぜ逡巡しているかというと、之卦が風天小蓄。迷うだけの理由が必ずあり、根本的には、まだ今の立場を得たばかりで基盤が浅い。実力がないから。
 現在の低い立場が現実である事を自覚し、そして理想を忘れないという事は、理想と現実に橋をかける事。また、確信して待つ事です。
 交渉、縁談など、相手のある事、就職、願望など、やはり自分一人では出来ない事も、障害や疑問があって進みづらい。
 待ち人、出産なども、小蓄の意で遅れがち。
 病占では乾の感熱去来にくわえ、四爻は胸の下部から腹部の不調。病魔の方も迷っているのか、小康を得ても再発に注意。

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乾為天 五爻


 陽爻、陽位で中を得て正。之卦は火天大有。之卦の互卦は沢天夬 賓卦は天火同人。
飛竜 王の位 舞い踊り
天下の天子に あい まみゆ

 「 まみゆ 」とは、会う。お目通りするの意。高揚した理想をついに現実へと放つ。

     原典
 『 九五は、飛龍天に在り。大人( たいじん )を見るに利( よ )ろし
 彖にいわく、飛龍天に在るは、大人の造( な )せるなり 』

 384爻のうち、もっとも強烈で男性的な爻。
 二爻にあった『 大人を見るに利ろし 』が再び五爻で出て来る。今度は王位の五爻が下位の二爻を見る。というのは ………
 これが頂点である。
 次には衰滅が待っている。

 ところが初爻と上爻、この二つは『 使い物にならない。』
 それで二から五までを反復する。
 二で始まって、五で引退し、
 また二に譲るべきである。
 ニ爻とは、新しく入って来て才を見せ始めた者であり、
 五爻とは、かつての彼らがいま君臨している様( さま )ですが、
 五はすでに自らを展開し終えた。それが『 頂点を極める 』という事です。
 実務には、対応出来ない。
 それを自覚し得る者は、『 大人を見る 』
 かつての自分を若者の中から捜す。
 「 俺があと三十年も若ければ、対応できるのだがなあ。もう感覚自体が古い。」
 そう実感して、後継者を捜すのです。
 実務が回転している時は、常にそのようであり、組織の維持運営が眼目に成れば、シャープだろうが東芝だろうが、次の六爻に進む。
 本田宗一郎が、周囲を驚かすほど早く引退した事に学ぶべきですが、実際にはきわめて困難な事です。

 運期は今が絶頂で、つまり、これから落ちる。現状を分析し、成功要因・安定要因を意識化し、より強固に盤石のものとするよう努力する。
 だから拡張・新規事業は不可。今までの総まとめ、今後の基盤作りの時期。
 願望・交渉・取引は成就する。しかし今で絶頂だから、取り分が不満でも、ひとまず決算しておくべき。
 失せ物・家出人も見つかるが、この好機を逃すと不明となる。
 待ち事は、応がないので来ないが、この運期でこちらから進めば吉。「 幸福の便りは、待っている間は決して来ないものだ。」とは太宰の言。( また、フラットな気持ちで日常をこなしてゆくと、幸運の便りが来るとも言います。『 正義と微笑 』より。)
 病気は今まで言った通り、乾為天の象意ですが、五爻の之卦、火天大有で熱が強く渇きが激しい。
 病勢の方は今が絶頂で、軽い病気ならこれから沈静化に向かいます。二爻同様『 帰魂の卦 』です。これは 「 五爻が変ずれば内卦と外卦が同じに成る卦 」 で、之卦の火天大有は、五爻が変ずれば乾為天で、上下が同じに成ります。まあ、迷信に属する見方ですが、実占上の方術として占断する時は、年齢、病状を考え合わせ、参考にして下さい。危篤状態の場合は早いと覚悟するべきでしょう。
 天候は何といっても『 火天大有 』ですから快晴で、夏はかなり暑く成りましょう。冬以外は帽子をお忘れなく。
 人物は貫禄あり公明正大の堂々たる才人で、今が絶頂の人です。何事も過信による「 やりすぎ 」にご注意下さい。

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乾為天 六爻

陽爻 陰位で不中不正。之卦は沢天夬。賓卦は天風姤。互卦は乾為天。

亢竜 悔いて、降りるのみ
すべての歩みは この通り

     原典
 亢龍( こうりゅう )悔( くい )有り。 亢龍悔有りとは、盈( み )つれば久しかる可( べ )からざるなり

 亢龍とは、登りつめた竜。行き場がない。
 一杯に成ったら長くもつ筈がない
 調子に乗って昇りすぎ、進みすぎ、やりすぎで失敗する。
 水が溢( あふ )れて決壊する。風船が膨( ふく )らみすぎて破裂する。
 すべてにこのイメージを敷衍( ふえん )します。
 加藤大岳師は、『 救うに方法のない爻 』と、救いようのない表現をしています。
 何故なら、一つの波が終わった事が原因ですので、根本的に対策がないからです。
 『 軟着陸 』を目指しましょう。

 交渉・取引・訴訟 こちらから乾の強硬で出て行って、破綻する。
 縁談は、望みが高すぎて縁遠く、結婚も、自らの可能性も狭くしている象。
 開業・拡張・新築には当然最も悪く、転居・旅行も出来れば見送った方が良い。
 胎児・出産は、口が上に向いている事から逆子と見る事もあり、乾に充満した気が兌口から出るので、嘔吐と見、すなわち悪阻( つわり )強しとして、安静・養生を心がける。
 病占では上爻の象意の頭部に加え、乾も頭部、それが毀損( きそん ー 兌は乾の三連奇の上が欠ける、へこむ形。)していると見て頭痛。また意識の不明や混濁。出産と同様の見方で嘔吐。
 天候は、連日の日照り続きから、ついに大雨の象。冬は連日の快晴による放射冷却から雨気をはらんで雪や霜が降る。

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乾為天 用九

陽を用いるそのすべは もたげる首を おさえ込む
陽は陰なり 陰は陽なり

     原典
 羣龍( ぐんりゅう )首无( な )きを見る。吉なり。( 爻辞 )
 天德首爲( な )る可( べ )からざるなり( 象伝 )
 乃ち天の則( のり )を見る。天下治まるなり。( 文言伝 )

 ( 用九とは、六爻すべてが老陽。之卦が坤為地。私もまだ出した事はありません。1/279936ですか。
 伝統的な解釈は、全陽で最強でありながら、陰を内包する優しさと穏やかさがある。自分が首、頭に成ろうとしない。これは集団の中での正しい態度で、当然吉である。また、
 用九とは九( 陽 )を用( もち )いるという事で、上の卦に限らず、すべての卦のすべての陽爻に対しての、用いる時の注意を説いたもの。すなわち陽は抑え、陰は励ます。
 社長や会長など、最上位者がいちいち自分の才能や地位の優勢を誇示してはいけない。技術の事は技術屋に、デザインの事はデザイン屋に任せ、疑問があれば聞き、部下を統率・支配するのではなく、むしろ部下が存分に能力を揮( ふる )えるような存在であれ。という訳です。

 また、ユングは「 中年期をすぎると人は異性を体現し始める。」と言いましたが、人物は、自我発展の山を越え、女性原理をそのまま体現し始めた男性。対立概念を抱合し始めた存在。一種の理想の境地です。問題は問題でなくなっており、今まで蓄積して来た体力と知力で余裕綽々。人生は車中から、きれいな面白い景色を眺めているようなもの。

 占断としては、事業、財利、交渉、縁談、失せ物、全てに吉
 病気などは年齢や病状によってはコロリと大往生かも知れませんね。これもまた、羨ましい限りです。
 また、心理学用語でエナンティオドロミー( 相互反転 )というのがあります。( 学者がわざわざ横文字を使う時には、それがカギとなる概念であると、注意を促している場合があります。 )
 何かに対する感情、態度、あるいは立場などが、180°逆転する ……… などの事があるかも知れません。
 これは占題によります。
 例えば私は大嫌いだった兄Bが死んだ時、号泣しました。それはまったく予期し得なかった感情でした。そして知らないうち、テーブルに向かって猫背で座り、両手でマグカップを握っていました。これは私が「 だらしない。幼児的だ。 」と嫌悪していた、いつもの兄Bの仕草でした。憑依というやつです。

 むかし頂いたメールに、「 五行易の研鑽に日々精進している者ですが、このたび用九を得ました。どう判断したら良いでしょうか。 」という質問があったのですが、その時には面食らって、「 実は私は五行易は苦手で、」などと、とぼけた返事をしてしまった事があります。いま思えば、「 何一つ、取っ掛かりなし。 」という事で、この方は毎日々々、何もかもを占いまくり、無意識が「 ちょっとしばらく休ませてくれ。ギブアップ。」と、占いを放棄したのではないかと思います。占機が薄れた状態です。
 実際に用九や用六が出た場合、この可能性が大きいのではないかと想像します。

 用九についてはまた、長い文章をアップしたいと思っています。


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