筮竹を使う方法
これは気分が乗ります。筮竹を使って立卦する所作を、『ちょう筮』と言います。「ちょう」は手偏に蝶のつくりを書きます。カッコイイですね。
まず50本の竹ひごを前に掲げ、先端を自然に開き、筮竹の先から森羅万象の力が流入し、世界そのものであると観想 ( イメージ ) します。
そして50本の中から一本を選び、筮竹立てに戻します。
これは『 大極 』と言って、すべての存在を生み出すアーラヤ識のようなものです。(←説明に成ってない。)
残りの49本を、両手で無心に二つに分けます。これで、最初の卦を決めます。この所作は、「大極 両儀( 天と地、陰と陽 )を生ず」と易の原典にある通りをなぞらえる方法です。
左右に分けたうち、右手に持った筮竹を、脇に捨て( 置き )ます。天地に分けたうちの天を捨てる訳です。というのも、占いは大地に住む我々の事を問うのであって、大極も天も、占いには参加しません。
しかし天と地が関係ない訳ではない。右手で捨てた中から一本を拾い、左手に加えます。通常、左手の小指と薬指の間にはさむのが、作法です。これは『人』です。人は、天と地の間で何かするのでしょう。
左手に残った筮竹を、『八払い』して行きます。
これは、他の占いでもよく使われるので、覚えておきましょう。
要するに、8で割って、あまりの数を数えます。
八卦を数字に変えて、
天 沢 火 雷 風 水 山 地
1 2 3 4 5 6 7 8
「 てん たく か らい ふう すい さん ち 」
の順番は、九星学、風水などの基本ですので、覚えておいて損はありません。上の漢字を見ながら、10回くらい口に出して言うと、すぐ覚えられます。今、覚えておきましょう。
普通、二本づつ数えます。
右手で捨てた筮竹を拾い、もう一度49本を同様に割って、また右手から一本を拾い、上の卦を求めます。
同様に、また49本を二つに割り、また一本拾い、今度は『 六払い 』して、変爻を求めます。
左手+1本が21本なら、
21÷6=3…3で、3爻が変爻です。
これで一つの卦が立ちました。
次に『中筮』と言う方法をご紹介します。
50本から一本を選び、大極として筮竹立てに戻す。
残り49本を二つに割り、右手に持った方を捨てる。
捨てた中から一本を拾い、左手の小指に加える。
それを『八払い』する。
ここまでは同じですが、一つの得卦により、一つの『爻』(こう)を求めます。
爻とは卦を構成する六つの陰陽の、その一つずつです。
これを六回くりかえして、一つの卦を立てます。
もちろん下から上へ積み上げて行きます。
本卦 之卦(しけ)
天は老陽 ○ → ● また老陽は□と表記されます。
沢は陰 ●
火は陰 ●
雷は陽 ○
風は陰 ●
水は陽 ○
山は陽 ○
地は老陰 ● → ○ また老陰は×と表記されます。
天と地、(老陽と老陰)以外は、之卦(未来の状況と見る事が多い。)も本卦(現状と見る事が多い。)と同じで、陰陽の変化はありません。
擲銭法の陰陽、老陰、老陽の取り方と違いますので、ご注意ください。
また前項『うらないの方法』で申しました通り、擲銭法の陰陽の取り方を、この方法で統一しても構わないと思います。
それから算木。爻の形と同じ木片で、占いの結果を記録してゆく物ですが、私は長方体の棒で作って、変爻の場合には「立てる」事にしています。
また紙に書いて記録してゆく場合、変爻の記録は爻の横に丸印などを打つよりも、小さく数字を書き込む方が、まちがいにくくて良いと思います。下に例を示します。
得卦 本卦 之卦 あるいは
離 ― ― ― ― ― ―
坤 ― ― 5 ――― ×
巽 ― ― ― ― ― ―
坎 ――― ――― ―――
坤 ― ― 2 ――― ×
乾 ――― 1 ― ― □
まあ、---と- -で表記し、本卦と之卦を並べて配置するのが視覚的に分かりやすく、変爻する前後の八卦がすぐ分かるのでお勧めです。
上の例で言うと、「内卦が火から風になるのか。自己主張から協調性重視に転ずるのかな? 初爻と二爻が入れ替わっているぞ。一歩進むのかな? 逆転していた上下関係が本来の位置に戻るのかな? 外卦は地が水に成っている。障害が出来るとも取れる。何か増えるのかも知れない。卦の全体は風水井だから、それが新しく安定したサイクルに成るようだ。」などと、眺めながら色々考える事が出来ます。