卦形の占

 これは卦の形、イメージから、直感的、直接的に判断する方法です。
 こういった判断が、いかにも  これは有名な占例なので、ご存知の方もおられましょう。確か古代中国が舞台。
 合戦のすえ、劣勢。どうしたら良いか占ってみる。そして出たのは、『 山雷頤 ( さんらいい ) 』
 「 途中にさえぎる物がない。……… 遠矢を射かけよ!」
 すると見事、そのうちの一本が敵将に命中し、逆転大勝利したと言う事です。( ウソかホントか知りませんが ……… (^^; )

 PS.上記の文、十五年後の補注。
 これは晋と楚の 『 鄢陵の戦い(えんりょうのたたかい) 』 で、加藤大岳師の 『 春秋左伝占話考 ( 紀元書房 )p144~152 』 に掲載されております。占例は上で書いたような単純なものではなく、方位まで加味した緻密なもので、得卦も 『 山雷頤 』 ではなく 『 地雷復 』。たぶん私の記憶違いか、私の読んだものが素人向けの本で、著者が分かりやすくするために脚色してくれたのでしょう。あるいはその著者も、すごくいい加減だったかも。( 笑 )
 私もこの方が解りやすいので、上の文はそのままにしておきます。地雷復でこの判断は、普通ちょっと無理と思いますから。
 しかし原典は、復。大岳師は左伝では今まで 「 震を以て ( 早いので ) 兵車に当てる観象が屡々 ( しばしば ) 行われていた 」 のに、ここでは矢として見ている事に注意しておられます。この占断の占者が『 復を震の甚だしい形。車より速く直接的な形 』 と見た事が、原典の真意であると申せましょう。


 似た例が一つ。
 二階の屋根にあるアンテナを降ろす事に成りました。しかし、どうやって降ろしたら良いか分からない。占ってみる。『 山雷頤 』です。頤(い)は「おとがい」とも読み、口やアゴを意味します。
 「 フームなるほど、口で降ろすのか。」
 口にくわえて、ハシゴを降りて行けばいい ……… そんな訳はないので、プロに来てもらいました。
 するとさすがプロ。アンテナを電線で棒状にまとめ、何食わぬ顔で下に向かって「ぽいっ。」
 アンテナは隣の建物との狭い隙間に、あやまたず「バシャン!」
 なるほどこれが山雷頤かと、終わってから気付いた次第です。
 しかし、「アンテナの降ろし方」まで占えるとは、便利ですね。