彼我の占 ( 向待法 )

 八卦の象意を一通り覚えたら、『 彼我の占、向待法 』と言うのが使えます。

 下の八卦を『 内卦 』 と言い、『 我 』 を表します。
 上の八卦を『 外卦 』 と言い、『 彼 』 を表します。
 そして内卦と外卦の兼合いで、判断します。

 これは相手のいる時や、天候占で威力を発揮します。
 その場合は、占う前に「これは彼我の占で占おう。」と決めておくか、出た卦の判断に迷った時、暗示として参考にする。などの占い方をします。

 たとえば恋愛占で、山雷頤が出たとしましょう。
 普通は話せば通じる。お互いの間にさえぎるものがないので吉。しかし現状と違う。では向待法で見ると、
 内卦、我は雷で「進む」
 外卦、彼は山で「動かない」
 と言う風に判断します。

 風雷益なら、
 内卦、我は雷で「進む」
 外卦、彼は風で「迷う」
 と言うふうに判断します。

 これが沢雷随なら、
 内卦、我は雷で「進む」
 外卦、彼は沢で「喜ぶ」
 と成りますが、本卦の『随』の判断では「相手や周囲の状況に従い、今は、ようす眺めの時。自分から進んで行く時ではない。」と言う、反対の意味に成ってしまいます。だから特に「彼我の占で見てみよう」と思って占わなかった場合、本卦の意味を取ります。

 同様に、その他の基本的な判断を並べると、
 外卦がなら高くすまして顧(かえり)みられず。
 なら燃えてくれる。
 なら、相手からも進んでくれる。
 しかしこれは『 待ち事 』の場合で、交際中でケンカしている場合などは正反対に成ります。何故かというと、外卦( 彼 )は『 倒艮 』、つまり、相手から見たら雷は引っ繰り返って山と成り動かない。こちらが語りかけても動かない。聞いてもくれない。待ち事は終始こちら、内卦が主体だから雷は雷のままです。一方的に相手の出方を待つ場合なら、相手から動いて来てくれる。しかし対等のやり取りをしているような場合では、相手は山となり動いてくれない ……… という訳です。

 なら悩むか、いま苦しんでいる。
 ならちょっと、言うこと聞いてくれるかも ………
 などと判断します。


 天候占では、特に便利なものです。
 内卦が大地で、外卦が天です。たとえば山水蒙なら、
 外卦は山、「とどまる」で、降りそうでも降らずですが、
 内卦は水で、足もとは水びたしと言う訳です。

 火風鼎なら、かんかん照りに、風が吹いてほこりまみれ。
 水山蹇なら、天に雨気あれど降らず、また、雨が降っても自分は家の中と言うふうに判断します。

 学生時代、曇りと占って雨が降った事があります。「はずれたじゃないか。」と言われましたが、私が学校から駅に行く間、乗り継ぎの駅へ歩く間、駅から家へ帰る間、雨はやんでおり、「私には曇り」だったのです。(友人達は、納得しませんでしたが。《-笑-》)
 占う前に、「京都 → 大阪間の天気」などと、決めておくべきでしたね。この場合は内卦が京都、外卦が大阪になるのでしょう。しかし、気象庁が知った事ではない「自分の天気」が占えるのも、まあ、魅力でしょうか。


 長いあいだ天候占をしていなかったので、忘れてました。
 普通は本卦( ほんか )を午前中、之卦( しか )を午後と言う風に判断します。
 つまり、六爻すべてに変爻が出る占い方をして、変化を見る訳です。
 「今年の夏は冷夏か酷暑か?」と言う占いでも、前半・後半に分けて見ます。
 彼我の占を天候占で使う場合は、何かのイベント等、区切られた期間の判断、また、足場が気に成る時に便利です。
 ちょっと最近、お天気の移り変わりが激しいので、思い出した次第です。


 この『彼我の占』は、これだけで一つ、大きなHPが作れるくらいに面白いもので、しかも初心から使う事が出来ます。そして、あなたが経験を積まれるほどに、どんどん便利なものに成って行く事と思います。

易の基礎 TOP

ふりだしに
もどる