62 雷山小過
意欲の少し、過ぎたるかたち。まわりが追いつかない。
小(陰・悪)が過ぎた時代。
沢風大過はひどく重かったが、これは小過。ちょっと重い。
小過は大坎のかたち( 二卦ごとに見ると、坎のかたちに成る。)
また、翼を広げて飛ぶ鳥のかたち。
我々の人生を飛ぶ鳥にたとえると、空中に休まる所はない。しかし、あこがれに向かって飛ぶために、我々は生きている。でも、この卦が出た時は、空ばかりを見すぎている時です。非現実的で、実力の遥か以上の望みを抱き、苦しんでいる場合もあります。
飛ぶ鳥は大地に降りて安んじてあれ。
「 飛鳥、声を残す 」自分の人生を占って、この卦を得た事があります。ちょっと、ジンときたが、考えたら誰の人生でも、そうですねっ。(笑)
この卦を得た時には、『 意欲や願望 』の過ぎたるは、失敗する。反対に『 慎重・ていねい 』は、少し過ぎるくらいにして、大吉を得られます。
雛(ひな)鳥や
何故にはばたき 行かんとす
空は呼べども 宙に場はなし
空にはあなたの居る場所、止まり木はない。安心できる場所ではない。
上の(本卦 不変爻)をごらんください。
振り抜ける
飛鳥のごとき 球筋は
狙い目を過ぎ 芝には届かず
( 咎なし )
思った以上の効果をあげるが、完成はしない。
やりすぎの失敗も、他からの攻撃もない。
見えぬ網 強き翼の 飛ぶ鳥も
絡め取られて
屠( ほふ )らるるなり
屠( ほふ )る - 鳥獣の体を切り裂く。皆殺しにする。試合で相手を負かす。
世は暗し
鳥は飛ばぬに 悪に遭う
しばし地虫と
咎( とが )なくすごせよ
いつまでも
雨を降らさぬ わが心
胸の奥から 引けど足るまじ
少し過ぎたり 浅き心に
「 雨をふらさぬ 」- 陰陽和合しない。( 意識と無意識の疎通がない。)だから物事が回転しない。展開する力不足である。
「 足るまじ 」 - 足らないだろう。
「 浅き心に 」 - 意識が表面的な事にしか対応していない。
小鳥には 過ぎた高みに
無理に飛び
矢にかかるのは 尊大の罰