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ナベの道( なにやら深そう )。
鼎( かなえ、てい )とは三本足の器で、煮炊き物をする祭祀用の道具。
物は三本の足で始めて立つことが出来るので、安定、協調の意味がある。
三者鼎立。
なごやかにナベを囲む。
三の象意からか、独立、頭領運、冒険、始まりのニュアンスがある。
最初には ナベひっくり返して
ゴミを出す
道ならぬ恋 嫡子得て吉
新しいものを作り上げる前には、古いものの一掃の必要があるとの事。「何かしたい事があったら、その前にまず子供を作っておけ。」と言う意味かな? 一番大事なことを、最初にしておけと。『三』と言えば、両親と子供の数でもありますからね。
また、「 これは死ぬまでに、絶対にしておこう。」と思っている事は、まず最初に着手する事をお勧めします。見えていなかった全体像が見えてきます。
そして特に学問、芸術関連では、「 これが全部だと思っていたら、糸口だった。表面の構造だけで、掘り下げをしなければならなかった。」などの事があります。とにかく、『 やればやるほど、やる事が増えて来る 』という、恐ろしい事があります。
しかし、妾がひっくり返ったナベ。ゴミが嫡子( ちゃくし 跡継ぎの子供 )と言うから易経は、ちょっとヒドイですね ……… しかし相当に幅広い解釈が出来ます。
ナベ煮んと
するに下から 水かける
フタ(二)し守らん
具とわが身とを
ナベの耳(三々)
取れてお料理 食べられず
美味なるがゆえ 後にすくわる
才あるがゆえ、認められぬ。才が少しでもある人は、集団の中では剛に過ぎるのです。しかし正道を守っていると、王様と一心同体に成ると言います。
弱き足
重きナベにて へし折らる
他に任せるか、補佐をつくべし
( このままでは凶 )
補佐をつけるべし。補強せよ、援助せよの意。
ごうごうと 火の風きたり
面( も )に迎え
おナベは 煮えて
やすく食べらる
( 吉 )
「 やすく 」 とは、「 簡単に 」 の意。
「 面 」 は、川面( かわも、かわづら 川の表面の事。)の読みに倣( なら )いました。
珠のごと 硬く律して 柔和なる
光はなちて 鼎は煮おわる
「 ごと 」は、「 如( ごと )く 」の省略。
原典は大宝律令にも使われた、まことにイキな表現です。