31 沢山咸たくざんかん

卦の順番おぼえかた ………………………
才による 咸にも負けぬ 強さ持て

(本卦 不変爻)

 新婚時代。初めての恋人、結婚。
 感性、直感を重んじる時。
 神経過敏、感じ過ぎ、動揺のし過ぎ、感受性に振り回されないよう、注意。


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沢山咸たくざんかん 初爻

寒暑(咸初)まず
足の指先 むずむずと
新しい季節 来るを感じる

 まったく根拠のない、確かな幸福への予感。そんな経験はないでしょうか? 必ず何かがやってきます。今はその時の心の準備をすっかりして、眠り姫のように言ってやりましょう。
 「 あなたでしたの?」と。


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沢山咸たくざんかん 二爻

足と胸との
二心(ふたごころ)
咸の文字には 心なし
とどまれば平 行けば凶なり

 上半身と下半身の問題として「 ふたごころ 」と使いました。
 お行儀よく、いたしましょう。
 二爻はすぐ上の三爻に引きずられてイヤに成っていますが、本来は五(王)に応じている。一時のつまらぬ感情に左右されず、現状維持です。


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沢山咸たくざんかん 三爻

口先スズメと 盲動犬の
あとを無思慮に ついて行く
見る人も恥じ 想い咸三( 閑散 )

 閑散( かんさん )、とは、暇なこと。ひっそりと静まりかえっていること。


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沢山咸たくざんかん 四爻

上に媚び 下に劣情 ふらふらと
感じるままは
弛緩(しかん)に過ぎる

 この伝統的解釈、ちょっと引っ掛かる。もうちょっと、可愛いものでは? 例えば想い人の周りをうろうろするような……… やっぱり弛緩( ゆるみ、たるむ事 )のしすぎですね。


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沢山咸たくざんかん 五爻

五(いつ)みても
感動のない 仏面ほとけづら
咎もなければ
志(こころざし)もなし


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沢山咸たくざんかん 六爻

六(む)くつけき 男が声も
高らかに
敏と感じる ままに ことほぐ

 「 むくつけし 」とは、気味悪いさま、恐ろしいさま、無骨、無作法で精錬されていないさま。
 「 ことほぐ 」とは、言祝ぐ・寿ぐ、と書き、「 祝い、喜び事を言う 」の意。原典では媚( こ )びを含んだ軽薄な言説を戒める。


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